こんにちは。グリンです!
今回は著者薬丸岳さんの「告解」を読んだ感想になります。
・あらすじ
飲酒運転をし、老女を轢き逃げをし、殺してしまった大学生、籬翔太が今作の主人公。
そして被害者は法輪二三久。轢き殺されてしまった老女の夫であり、認知症が始まりつつある。
翔太が飲酒運転をしてしまったのには理由がある。
しかしその訳は裁判でも自供せず、苦しみに苛まれながらも実刑を受ける。懲役4年と10か月。
二三久は自分の姿を知られないため、裁判にも出ず、翔太の出所を待ち続ける。
なぜ?二三久は愛する妻を殺した犯人の出所を待ち続けるのか?
刑期を終えた先にどんな未来が待ち受けるのか?
・感想
本作品は薬丸岳(以下敬称)の真骨頂である作品だと私は思う。
贖罪と向き合い続けた著者だから書ける。そして贖罪の意味を教えてくれた作品である。
認知症となり翔太の事も忘れてしまう二三久。そこまでして犯人に会わなくてはならない理由に感動した。
復讐の為なんかじゃない。お互いが「人間」に戻るために。
贖罪とは何なんだろう。
国語辞典には
-
1 善行を積んだり金品を出したりするなどの実際の行動によって、自分の犯した罪や過失を償うこと。罪滅ぼし。「奉仕活動によって―する」
- この様な意味である。
主人公は罪を見つめ直し、真面目に働こうとするが働き口など簡単には見つからない。
それは仕方ない事だ。これが社会だ。
どれだけ罪の意識に苦しんでいても。
本書の一文を記載する。
「罪を犯した人がどれほどの償いの気持ちを持っているのかは他人にはわかりようがない。口ではどんなことでも言えるし、一時であれば反省の態度を示すこともできるから」
ここまで読んでいただきありがとうございました。
本作品が少しでも気になった方は是非読んでみてほしいです。