
こんにちは!グリンです!
今回はメフィスト賞読破シリーズということで、第5回メフィスト賞受賞作品
浦賀和宏の「記憶の果て」を紹介します!
あらすじ
第5回メフィスト賞受賞作
自殺した親父が残したパソコンのなかにいるのは裕子。いや違う、あれは単なるプログラムにすぎない。いったい彼女は何者なのか?父が自殺した。突然の死を受け入れられない安藤直樹は父の部屋にある真っ黒で不気味な形のパソコンを立ち上げる。ディスプレイ上で裕子と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。プログラムにしかすぎないはずの裕子の記憶が紐解かれ、浮上する謎。
父親は自殺した娘の生まれ変わりをコンピューターにプログラムしたのか。それでは裕子の人間の記憶はいつのものなのか?実際に存在した裕子は十七年前すでに自殺していると安藤に告げる母。父は自殺した娘の生まれ変わりとして、コンピューターにプログラムしたのではないか? 安藤は脳科学を扱う父の研究所や、裕子の本当の母親の元を訪ね回る。錯綜する人間関係が暴かれる衝撃的結末は、凡百のミステリーの常識を破壊する。
19歳が描いた衝撃のデビュー作!
内容・感想
父が自殺した。突然の死を受け入れられない安藤直樹は、父の部屋にある真っ黒で不気味なパソコンを立ち上げる。ディスプレイに現れた「裕子」と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。裕子の意識はプログラムなのか実体なのか。彼女の記憶が紐解かれ、謎が謎を呼ぶ。
ミステリの枠組みを超越した傑作だがミステリー小説というよりも青春SF小説に感じた。
自殺した父親のパソコンには「安藤裕子」という人工知能が搭載され、裕子に意識があるのか?という部分を考え続けるのが前半で、途中から直樹は裕子を好きになっていく。(愛の方)
後半は父親の前妻・佐々木が登場し急展開で衝撃の真実を投下していくのが良かった。
(ネタバレになるので読んでみてください)
主人公安藤直樹の自己中心的で自分の外にある世界と向き合うことを徹底的に拒み、人の心象を斟酌しようとせず、自分は自分とばかりに甘美な孤独に閉じ籠る、自閉的な小説
長く重苦しい語りの末に、あらゆる全てをそぎ落とし、ただの「安藤直樹の物語」
これを知れただけで読んだ意味があった。
おわりに
続編もあるみたいですが、読まないかな。
ありがとうございました。
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