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【第2回メフィスト賞作品を語る】第2回受賞作『コズミック』

こんにちは!

今回はメフィスト賞第2回受賞作『コズミック』の感想を書いていきます!

 

まず初めに『コズミック』は

1996年に清涼院流水によって書かれた作品で、彼のデビュー作である。

また正式には、『コズミック 世紀末探偵神話』として世に出た。

 



 

・『コズミック』あらすじ

本格ミステリ史上、最もバッシングを受けた鬼才のデビュー作。メフィスト賞の性格を決定づけ、後の作家に絶大な影響を与えた超問題作。1200の密室で1200人が殺されるという、密室卿を名乗る正体不明の人物からの犯罪予告が届く。1200年間、誰にも解けなかった密室の秘密を知ると豪語する密室卿の正体とは何か。JDC(日本探偵倶楽部)きっての天才にして、名探偵をも超越したメタ探偵・九十九十九が挑む!*1

 

・『コズミック』内容

『今年、1200個の密室で、1200人が殺される。誰にも止めることはできない』――1994年が始まったまさにその瞬間前代未聞の犯罪予告状が、「密室卿」を名のる正体不明の人物によって送りつけられる。1年間――365日で1200人を殺そうと思えば、1日に最低3人は殺さねばならない。だが、1200年もの間、誰にも解かれることのなかった密室の秘密を知ると豪語する「密室卿」は、それをいともたやすく敢行し、全国で不可解な密室殺人が続発する。現場はきまって密室。被害者はそこで首を斬られて殺され、その背中には、被害者自身の血で『密室』の文字が記されている……。狙っているのは誰か?そして、狙われている者は? 日本国民1億2000万人余の全員が、被害者にも容疑者にもなりうるという未曾有のスケールを備えた密室連続殺人には、警察、そして名探偵集団・JDC(日本探偵倶楽部)の必死の捜査も通用しない。日本全土は、恐怖のどん底に叩き落とされた。……同じ頃。海を隔てたイギリスでは、前世紀の悪夢が蘇っていた。かの切り裂きジャックの後継者を自称する者によって引き起こされた連続切り裂き殺人――それは、その猟奇性と不可解性において、日本の密室連続殺人に勝るとも劣らぬものだった。JDCきっての天才・九十九十九(つくもじゅうく)は、日英両国の怪事件を詳細に検討した結果、1200年間解かれることのなかった密室の秘密と、106年間謎のままだった切り裂き殺人の秘密は、同一の根を有すると看破する。同一の根――それは、世界の秘密。自らの人生観をも根底から覆しかねない大いなる神秘に、名探偵をも超越したメタ探偵・九十九十九が挑む!*2

 

・『コズミック』感想

今回私が読んだのは文庫版のため、流(上巻)水(下巻)で読んだ。

流のまえがきに、この作品は流→水の順番に読むより、『コズミック流』→『ジョーカー清』→『ジョーカー涼』→『コズミック水』の順で読むと、ある仕掛けが浮かび上がります。

との事だったので、私は途中で『ジョーカー清・涼』を読んだ。

確かに『ジョーカー』を読むことによって、『コズミック水』が理解しやすかったと思う。

 

『ジョーカー』の感想はまた別の機会に書かせていただくとしますが、簡単にあらすじだけでも書いておこう。

究極の連続不可能犯罪を企む天才犯罪者が、陸の孤島で「幻影城殺人事件」を演出する。作家・江戸川乱歩と同じ本名を持つ富豪が、生涯を賭して築いた幻影城。美しい湖の小島に浮かぶ紅の城は、様々な趣向が凝らされた「異形の館」である。推理作家たちが秘境を訪れる。――老いた探偵が惨劇に引き寄せられた時、舞台は整い、物語が始まる。すべてのミステリの総決算!*3

 

 

 

まず『コズミック流』では、19人の密室殺人が描かれる。とにかく人が死ぬ。一人一人どんな生活をしているのかなどが描かれながら、密室卿によって死ぬ。それが19人続くだけであった。

正直これだけでも衝撃的で犯人を予想することもできなかった。

 

犯人が気になりながらも、ここから『ジョーカー』を読んだ。

あらすじにもあるが、幻影城で起きた殺人事件の内容であった。そこで登場する濁暑院溜水が小説家として、幻影城殺人事件の出来事をノンフィクションとして出来事を記していく。

この人物こそ、『コズミック』にも登場する重要な人物である。ちなみに密室卿の事件は幻影城殺人事件の2ヶ月後に起きた事件である。

 

『ジョーカー』も終始犯人は分からず、言葉遊びが多い作品だった。もっと言えば、最後まで犯人がイマイチ理解しづらい内容であり、900ページ超読んだのだが、なかなか辛いものだった笑

 

さあ。気持ちを切り替えて『コズミック水』を読み始めたが、これまでの『コズミック流』とは全く違い、JDCや警察など様々な人物が登場し、密室殺人の謎を皆で解いていく。

ここで現れるのが濁暑院溜水だ。

彼は幻影城殺人事件で死んだのにも関わらず、密室卿殺人事件の内容を事細かく書いた本がJDCに送られてくるのだ。

 

何がどうなっているのか?分からない!!!

犯人は誰だ?誰だ?どうやって密室殺人をしていたんだ?トリックを知りたい!と楽しみに読んでいたが、オチはとんでもない方向に飛んでいき、馬鹿馬鹿しくて笑ってしまった。

ましてや犯人は松尾芭蕉だ!卑弥呼だ!なんだと言ってくる!!!

無茶苦茶だ笑

 

僕は何を読んでいたんだろう。

 

でも言葉遊び。そして19人の被害者の名前を使ったメッセージには驚いた。

 

なんだかんだ楽しい体験だったと言える。

 

さすが賛否両論を巻き起こし、西尾維新らに影響を与えた物語だ。

 

まして、10年に1度の話題作。その言葉に間違いはなかった。

 

 

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*1:講談社BOOK倶楽部

*2:講談社BOOK倶楽部

*3:講談社BOOK倶楽部